一般歯科
一般歯科+咬み合わせ治療で、全身の不定愁訴も消える!
患者さんの中には、歯の痛みと同時に肩こりや腰痛などの症状を訴えることがあります。全身の状態を細かくチェックすると、顎のズレが原因になっていることが少なくありません。
現在の歯科医療は悪くなった歯の治療だけですが、これからは下顎の位置や咀嚼運動を考えた、お口と全身を健康にする治療が求められる時代です。当院は丸山咬合医療の理念に基づき、顎のズレを是正する治療を取り入れた、お口と全身を健康に導く一般歯科診療を行っています。
虫歯と咀嚼運動について
虫歯の原因がミュータンス菌であるといわれるようになったのは、今から40年ほど前です。当時は口腔衛生があまり重視されておらず、細菌の影響で虫歯になる方がとても多かった時代でした。その後「8020運動」(80歳になったときに20本以上の歯を残す運動)が広がり、予防歯科が浸透しましたが、未だに虫歯はなくなりません。
虫歯は歯垢の付着した部分にできるといわれていますが、歯と歯の接触面や大臼歯の頬側の溝など歯垢の付かない場所にもできます。これは咬んだ時に強い力がかかる場所です。実際に咀嚼運動(食べたときの下顎の運動)を再現してみると、異常な咀嚼運動が起こると歯の特定な場所に異常な力が加わっていることが分かります。これを外傷性咬合(マイクロトラウマ)といいます。この力を受け続けると、歯の表面を覆っているエナメル質にヒビが入りやがて穴が開いてしまいます。これも虫歯の原因なのです。
下顎のズレを是正して虫歯リスクを軽減する
不正歯列や不正咬合があると咬み合わせが悪くなり、下顎の位置が異常になり咀嚼運動が異常になります。顎を動かしたときに、特定の歯に強い力がかかるため、エナメル質にミクロ的なヒビが入りそこから虫歯になると推測できます。根本的な原因を改善しなければ、虫歯治療をしても再び虫歯にならないとも限りません。虫歯治療と併せて下顎のズレを是正する「咬み合わせ治療」を行うことで、全体の歯に均一に力が加わるようになり、虫歯のリスクが軽減します。
不定愁訴を引き起こす顎のズレ
また、顎のズレは顎関節症や頭痛、肩こり、腰痛のような全身の不定愁訴、うつ症状やめまい、不眠など心の悩みを引き起こします。つまり、咬み合わせが全身の健康に深い影響を与えるのです。下顎のズレが原因で起きる全身の不調の多くは、咬み合わせ治療で解消できます。多くの患者さんは、一般的な歯科治療に咬み合わせ治療を取り入れることで全身の不調が消えて、心とからだが健康になり笑顔を取り戻しています。
※丸山咬合医療が考える「咬み合わせ」とは、咬合形態・下顎の位置・咀嚼運動の3つを総称しています。
身体に負担の少ない治療
歯科治療は医療であり、患者さんのお口の中を健康にすることで全身の健康を守ることが本来の目的です。例え治療のためとはいえ、患者さんに負担がかかる治療は避けたいと考えています。そこで当院では、できるだけ削らない、歯を抜かない、痛みの少ない治療に取り組んでいます。
3-MIXでほとんど削らず虫歯を治す
虫歯治療では、虫歯の再発を避けるために歯を大きく削るので、虫歯でない部分まで削ってしまうことがあります。削る量が増えるとともに、健康な歯質は少なくなり、ひいては歯の寿命を縮めることにもなり兼ねません。当院の一般歯科のモットーは、できるだけ削らない、抜かない治療です。3-MIX(抗菌剤)を使用することで、ほとんど削らない治療ができるようになりました。
3-MIX法は薬で治す、歯をほとんど削らない虫歯治療法です。虫歯部分に抗菌剤を入れて完全密封すると細菌が死滅し、虫歯の進行を食い止めます。これにより、これまで神経を取る抜髄処置が必要だった深い虫歯でも、大きく削らず神経を残せる可能性が広がりました。
できるだけ歯を抜かない理由
人間のお口の中には、上下合わせて28本の歯があります。1本ぐらい失っても大丈夫と思うかもしれませんが、1本1本の歯にはそれぞれ意味があり、食物を咬み砕くだけではなく、頭蓋骨にぶら下がっているだけの下顎の位置を固定させる重要な役割を担っています。前歯は、下顎が前にズレないようにする役目があり、側方歯は左右のズレを防ぎ、大臼歯は高さを保つ役目があります。側方歯のうち特に第一小臼歯は、下顎が後ろにズレるのを防ぐ役目を持っている大切な歯です。矯正治療でよく抜歯の対象になる歯なのですが、良いことだとは思われません。ヒトの身体に不必要な箇所など全くないと考えるべきでしょう。
予防を重視した診療
歯を削って悪い部分を除けば虫歯はなくなりますが、虫歯になる前の状態に戻すことはできません。当然ですが、虫歯が大きいほど削る量は増え、健康な歯質が少なくなります。もちろん痛みや苦痛もあるでしょう。虫歯を作らないことが、できるだけ削らず、痛みの少ない治療の近道ではないでしょうか。
こうした考えのもと、当院の一般歯科では予防を重視しています。健康な状態を維持するためにも、治療後の定期検診やメンテナンスをお勧めします。
虫歯ができるまで
虫歯の原因の一つにミュータンス菌(虫歯菌)の影響があります。ミュータンス菌がネバネバとした物質を作り出して歯の表面に付着すると、そこに食べカスなどがくっ付いて「歯垢」ができます。歯垢の中に住みついたミュータンス菌は、糖をエサにして酸を排出し、これによってエナメル質の中にあるカルシウムやリンが溶かされます(脱灰・だっかい)。これが虫歯の始まりです。
この段階であれば、唾液の中に混じったカルシウムやリンは、再び歯の中に吸収されて(再石灰化)健康な状態に戻ります。通常は脱灰と再石灰化のバランスが保たれているので虫歯になりません。ところが様々な理由から、脱灰と再石灰化のバランスが崩れると虫歯になってしまうのです。
バランスが崩れる理由
脱灰と再石灰のバランスが崩れる理由は4つあります。
1.再石灰化するまでの時間が短すぎる
再石灰化は食後40分から始まります。飲食の回数が多いと再石灰化する時間が追い付かなくなり、カルシウムやリンが溶け出したままになってしまいます。
2.唾液に問題がある
唾液には酸を浄化する作用があります。唾液の量が少なかったり質が悪かったりすると、酸を中和できなくなり溶けたカルシウムを取り込めなくなってしまいます。
3.歯のエナメル質が弱い
歯のエナメル質が弱いと酸の力が弱くても脱灰が始まり、その時間も長くなります。
4.虫歯の数が多い
もともと虫歯が多いため、再石灰化が追いつかなくなります。
虫歯の進行と治療
虫歯にはC1~C4までの段階があり、エナメル質を越えてしまうと治療をしても二度と元に戻せません。一般的には、進行が進むと歯を大きく削り抜髄(神経を取る処置)をしますが、当院では3-MIXを使うことで、ほとんど削らない治療をしています。
C1 第一段階
状態:表面のエナメル質だけが溶けています。
症状:痛みがないので自覚症状はありません。
治療法:特に治療せず、フッ素塗布や歯磨きで再石灰化が望めます。
C2 第二段階
状態:虫歯がエナメル質の下の象牙質に達した状態です。
症状:歯がしみるような痛みがあります。象牙質はエナメル質よりも柔らかい組織なので、虫歯の進行も早くなります。
治療法:虫歯になった部分を削って消毒し、詰め物を入れます。
C3 第三段階
状態:さらに進行して歯髄に達した状態です。
症状:ひどい痛みを伴い、痛みで夜も眠れないことがあります。また、根の先に病巣を作ることがあります。
治療法:虫歯になった部分を大きく削り、抜髄をしてから被せ物を装着します。
C4 第四段階
状態:歯髄の神経が腐って壊死した状態です。
症状:この段階になると痛みはなくなります。歯がボロボロになり根だけが残っている状態です。
治療法:残っている歯があれば、根管治療(根の治療)をした後に被せ物を装着しますが、状態によっては抜歯になります。